2007年11月29日木曜日
チャイルドシート 道内装着率わずか37% 1-10月 乳幼児124人死傷
車にチャイルドシートを装着しなかったり、正しくベルトをつけずに、乳幼児が交通事故に遭うケースが道内で相次ぎ、一-十月の死傷者数が百二十四人に上っている。装着の義務化から七年がたつが、道内の装着率は全国平均を大きく下回る四割足らず。子供をひざに乗せて運転したり、後部座席で遊ばせるなど事故の危険に対する意識の低さが指摘されている。 十月に旭川市内の市道交差点で車三台が衝突した事故。軽乗用車に乗っていた生後五カ月の乳児が死亡、運転していた母親も重傷を負った。軽乗用車の助手席にはチャイルドシートが装着してあったが、母親はシートベルトをせずに乳児をひざに抱っこして運転、二人とも車外に放り出されたとみられる。一方で、事故に遭った別の車にも幼児が乗っていたが、チャイルドシートにきちんと座っていたため、けがはなかった。 道警によると、今年一-十月末に交通事故で死傷した六歳未満の乳幼児は二百二十三人(死者一人)。このうち、チャイルドシート非着用が百二人、シートを装着していてもベルトをつけていなかった乳幼児も二十二人おり、合わせると百二十四人。既に昨年一年間の百二十五人とほぼ同数に達している。 チャイルドシートは六歳未満の乳幼児の頭部などを事故の衝撃から守り、車外放出を防ぐ。二○○○年四月に義務化され、病気などの場合を除き、違反すると反則点数一点が科せられる。しかし、道内の装着率は低く、今年五-六月の日本自動車連盟などの調査では37・3%と、全国平均よりも9・6ポイントも下回っている。 装着率が低いのは、乳幼児が親のそばを離れるのを嫌うことや、乳幼児用、学童用など成長段階に合わせて買い替えの必要があることのほか、非装着でも反則金が科せられないことが背景にある。二歳の娘を持つ札幌の主婦(38)は「車にチャイルドシートを付けているが、子供がぐずるのでベルトは締めない」と話す。 こうした状況に愛知県のメーカーは「運転中に子供を抱っこすることが危険との認識が薄く、チャイルドシートを子供用イスと勘違いしている」と指摘する。日本自動車部品工業会(東京)によると、チャイルドシートの全国出荷台数は二○○○年の二百八十二万台から昨年は百八万台に減少。少子化のほか、リサイクル店などで中古品が出回っていることが原因とみられ、同会は「事故で衝撃を受けた中古品はヒビなどが入り安全性が低い。説明書がないと固定方法を誤る恐れもある」と警告する。道警は「大切な子供の命を守るために、チャイルドシートを必ず装着し、ベルトをつけることを習慣にしてほしい」と訴えている。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿